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最近の反日に関連して vol.2 中国

韓国編は歴史説明部分が長すぎたので、中国編では現状を中心に意見を述べます。
日中の歴史はまた別記事で。

期待通り中国では今週末もデモが行われたようで、激しい反日活動が続いています。言うまでもなく中国においてデモの自由などは無いので、中国政府による官主導のデモということを考えた場合、中国政府は一体何を目的に反日扇動を行っているかということを考えなくてはいけません。

デモで彼らが訴えていることは「尖閣諸島問題」「日本の安保理加盟問題」「靖国参拝問題」「教科書問題」等々細々ありますが、理由はなんであれつまるところ「抗日戦争勝利60周年のアピール」というところでしょう。しかしいかなる理由があろうと、暴力を伴う示威行動に諸外国から共感を持たれるはずがないのに、愚行(*1)を繰り返しています。

*1:「デモは政府主導のものではない」と中国政府は主張していますが、そんなことはありえないですが建前上そうだとした場合、政府の治安維持能力が疑問視され、中国に投資を行う日本を含めた外国資本に対する悪影響をおよぼす可能性など中国にとっての多くのデメリットがあります。

扇動される民衆はともかく、中国政府が感情で動くことは考えにくい(これに対して現在の韓国政府は感情で動いています)ので、改めて頻発するデモの目的を考えると、中国政府の意思を中国国民にデモによって代弁させるかたちで、諸案件について日本の譲歩を引き出したいということが一つあります。ただし、この日本に対する強行策(騒いで脅せば日本は謝る)は今まではそれなりに通用していたのですが、韓国編でも述べたように、日本の方に多少の変化があり(小泉首相のキャラクターもあると思いますが)、日本政府が安易な妥協をしない(*2)ので、以前と同様の効果を得ることができず、振り上げた拳をおろせなくてある意味困っていると考えられます。

*2:尖閣諸島灯台の外務省認可による海図への記載や、ガス田試掘の許可を経産省が企業に与えるなどの日本側の行動は、中国側にとっては、日本の妥協どころか従来にない日本による挑発・強硬な姿勢と受け止めているでしょう。

もう一つの大きな目的としては、中国が内包する政治と経済のいびつな関係に起因する貧富格差の問題や以前からあるチベット人権問題など数多くの問題に対する中国政府に対する民衆の不満を日本に向けるという、いわゆる伝統芸のガス抜き目的があるでしょう。これは過去も繰り返してきたことで、(日本人としてはやるせないですが)今回も一定の成果を得ていると言えるでしょう。

反日デモによる中国政府の意図を、日本の譲歩を引き出す戦略と、国内のガス抜き目的、として述べてきました。以上に補足するような形になりますが、関連して重要な点が二点あります。

一点目はガス抜きに関してですが、まずそのためには民衆を煽る必要があります。いいかえれば感情を爆発させることを黙認すると言ってもいいでしょう。これは常に統制下においている民衆の行動に対して一定の自由度を与えるということです。このことがちょっとした何かのきっかけで、中国民衆の矛先が中国政府に向けられる可能性は、中国の歴史を鑑みても常に語られることで、民衆の煽りすぎは諸刃の剣になってしまうことは、中国政府も日本政府も知っています。中国政府のガス抜き戦略の帰結の一つとしての、中国政府にとっての危険性は留意すべきことでしょう。

二点目は反日デモを行っている連中が現時点では中国人のすべてではない、ということです。これは「デモをしているのは一部の過激な若者であるから、勘違いして中国を敵視してはならない」ということが言いたいからではありません。今のデモの中心になっているのは、インターネットにより集められた偏向した教育を受けた頭がカラッポの若者であるということで片付けようとする向きがマスゴミにあります。確かに普段できないような「生卵を大使館の建物に投げつけてよい」というような黙認のお墨付きがあれば、アホな若者ならずとも乗ってしまうかもしれないし、ただ物を破壊することに狂喜している連中も多いでしょう。興味本位に記念撮影しながら行進している連中もいます。しかし重要なのは、デモに参加している連中が持つ思想ではなく、不満のはけ口を探して騒擾を求めている民衆の行動そのものにあると考えます。その騒擾の芽が小さいながらも出ていることを指摘したいのです。

ここで上記二点は関連します。
現時点では暴れているのは一部の中国人です。当然バブルで儲けている中国人はもちろん騒擾など望みません。しかしある権力に扇動された衆愚が制御不能になり、中間層などを踏み越えて、果ては中国大陸全土に混乱を巻き起こすというのは中国の歴史が繰り返してきたことであり、過去100年程度でも義和団事件・中華民国成立後の各軍閥の争い・文化大革命などたくさんあります。

要するに反日デモに対しては、日本政府は当然、邦人の安全の確保など中国政府に対して冷静な対応を求めるというような措置を随時講じる必要がありますが、本質的には中国の国内問題であり、デモに代弁させている中国政府の主張などは、奈良県の先日逮捕された隣人に「引っ越ーせ!引っ越ーせ!」と怒鳴っていた近所迷惑なおばさんのようなものだと思っているはずです。特に小泉首相あたりは。私もそれでよいと考えます。

こういうと必ず「中国に投資している日本の資産が危機に瀕し、日本経済にも重大な打撃を与える」ということで、中国への譲歩を求める、経団連会長の奥田のような人間がいます。確かに韓国との場合などと比較した場合、日本経済への打撃は大きいでしょう。しかし後になればなるほど被害は大きくなるわけですし、それでなくても中国経済は人民元のレート引き上げ問題などで、誰が最後のババを引くかが焦点となっているなど、バブル崩壊へ向かっているわけです。かつて商業主義に陥り、イギリスとの覇権争いに敗れて没落したオランダの例を引くまでもなく、一部の人間の金のために国策を誤ることなど言語道断です。それに加えて、日本人社員をリストラし目先の利益を求めて中国に進出した企業やその周辺の銀行などが損害を受けようと、彼らは長引く世界不況にも一役買っているわけで、心情的にも全く同情できません。

賢明な企業は、被る被害が最小限になるように措置を講じ始めるべきです。新たな投資先も台湾・ベトナム・ラオスなど他にないわけではないですし、少なくとも現状よりはリスクをより多く回避できるようにすることは、中国の現状を見た場合、義務といってもいいのではないでしょうか。今回の反日デモうんぬんではなく、中国への投資熱はリスクを考慮すればすでに過剰です。

反日デモが中国政府にとって本質的には国内問題であると上で述べましたが、デモそのものに対してのものではなくデモにより起こりうる事態への対処は日本の問題です。結局は中国国内が一枚岩でないのと同じで、日本国内も様々な矛盾があり、反日デモに安易に妥協する前に、日本ができることはたくさんあるはずです。政治的には憲法の整備やアメリカや台湾との安全保障体制の整備、経済では食料自給率の増加などが至近の課題になるでしょう。

かなりはしょった部分もあり、語り足りない部分もありますが、終われないので(笑)それは別記事に譲ります。

今後の反日デモのボルテージが最も高まると考えられるのは、小泉首相の今年の靖国神社への参拝の後です。私個人の意見としては日本国首相の靖国参拝については是も非もありません。個人の自由だと考えます。が、今となっては本来「非」と唱えている人も中国の内政干渉に屈するわけにはいかないので、「是」と言わざるを得ないでしょう。それに加えて小泉首相は、いい加減で経済にも疎い適当な首相という感じで積極的に支持するものではありませんが、基盤もなくこれだけの長期に渡り政権を維持するなど、かなり高度に「政治的」な首相であることは間違いないでしょう。その彼がこの問題にどう対処するかは、注目に値すると思います。
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by blinkey | 2005-04-17 01:52 | ニュース・社会