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by blinkey
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小泉郵政民営化 その1:郵政民営化法案そのもの

政治関連の話題にはあまり触れまいと思っていたし、郵政民営化の是非が選挙の重要な争点のつもりでもないが、自分で論点を整理する意味もあり、話題の「小泉郵政民営化」について書いてみたいと思う。考えてみただけで相当長くなりそうなので、大雑把に以下のように3回に分けたい。言うまでもないが、すべての論点を網羅しているわけでは全くないし、不正確な部分もあるかもしれないので、ご了承ください。是非ツッコミを入れてください。

その1:郵政民営化法案そのもの
その2:小泉首相周辺の人物、その政治手法とメディア
その3:早急な民営化を望んでいる者達

さて、その1ではまず「郵政民営化法案そのもの」について。これが一番苦手で長くなりそうだ・・・。素人が精一杯素人なりの視点で理解しようとした結晶をご覧ください(笑)。


その1:郵政民営化法案そのもの

そもそも「郵政民営化」と先の国会で小泉首相が推進したいわゆる「郵政民営化法案」というのは、厳密には別のものだ。簡単に言えば、首相周辺が推進する「郵政民営化法案」というのは「郵政民営化」実現のための形としての可能性の一つに過ぎない。これは「その2」で書くべきことだが、知ってか知らずか(おそらく知って)、首相周辺は自分たちの「郵政民営化法案」に反対するものは「郵政民営化」に反対している者だとして宣伝している。受けの良いわかりやすさだけを求めるために、「この法案に瑕疵があるから賛成できない」という人も「郵政民営化法案」ならぬ「郵政民営化」に反対である、と決めつけていることは一つ問題だ。

話を戻して、一般的な「民営化」を考えてみる。民営化するメリットは、民間に任せることで効率が上がることや、様々な利便性などが向上すること、などで説明される。実際NTTなどは問題もありながらもうまくやっている。逆にJR西日本などは「経営者が評価されるために向いていたのは、利用者ではなく株主の方向」と非難されているとおり、黒字ではあるが、その利益追求のために、先日の大惨事という結果の一因を作ってしまった。

ここから本題の「郵政民営化法案」に入りたい。これも「その2」と関連することだが、この法案のメリットについてはそれなりにメディアは伝えている。よってよく言われるメリットについて、調べてわかったことや気になったことについて書くという形でいこうと思う。

・現在の郵政公社を郵便・郵貯・簡保・窓口と4分社化する。

これはメリットというか、民営化後の会社の形を示している。現在の郵政公社の収益の6割が郵貯によるものだが、分けてしまって他が単独で成り立つのかというのが一つ。現在銀行などで証券を扱えるようになるなど、ワンストップのサービスが広がる中で、扱う商品ごとに切り分けるというやり方は流れに逆行しているのでは、というのがもう一つ。わけてしまうと一つで済んでいた設備などがそれぞれ必要になり、無駄が増えるのでは、というのがさらに一つ疑問。

・世襲制の特定郵便局の制度をやめ、無駄を省く。

この点は最も異議がない。特定郵便局の人が優遇され、彼らが集票マシーンとなって議員を当選させる、という完全な利権構造であり、変える必要がある。古い歴史的な経緯もあるようだが、それはもはや通用しないだろう。ただ民営化せずともこの部分の改革は不可能ではないとも考えられる。

・郵貯・簡保の潤沢な資金の流れを切り(入口の蛇口を閉めるべき論)、無駄な公共投資などに 使うことをできなくする(出口論)。

一見もっともそうだが、このメリットはかなり怪しい。そもそも2001年に財政投融資(特殊法人)改革されるまで、公共投資に郵貯・簡保の金をジャブジャブつぎ込んでいたのは旧大蔵省であり、入口としての郵貯・簡保の存在自体に責任があるというのはおかしい。財投改革以降、旧大蔵省経由の財投がなくなったため、郵貯・簡保の金は多くが国債に流れている。このたびの「郵政民営化法案」では、ただ民営化すれば財投に流れていた資金が民間に流れ市場が活性化するといった抽象的な内容だけで、全く有効な投資が出来るという保証もなければ、下手をすれば外資に荒らされると言われる部分だ。言い換えれば、出口の部分でどのようにして資金を運用するのかということだが、この点に関して今回の法案では全く言及がないようだ。そもそも郵貯にお金を入れている人が、民営化されたらみんな引き出せばハゲタカとかの問題も心配する必要は無くなるが・・・。

・民営化により公務員の数を減らすことができ、より小さな政府への一歩だ。

ここにも微妙な詭弁が含まれている。確かに26万人とも28万人とも言われている公社関連の人間が一斉に民間の人間になるのだから確かに公務員の数は減る。ただ、少なくとも現時点では、これらの公務員の2兆4000億と言われる人件費は公社の収益でまかなわれている。この点が他の多くの、税金でまかなわれている公務員と違うところだ。したがって、公務員の数は減るが、減らしたことにより直接税金が浮くわけではない。このあたりは、「何をもって小さな政府というのか?」「何をもって民営化というのか?」という根本的な疑問がわく。ただ、税金が浮くわけではないとしても、民営化是非いずれにしても、民間と比較してそれ相応の数に削減する必要はあると考える。国が公務員の首を切ることはできないので、民営化しリストラする、という形に国がしたいのかもしれない。

・過疎地などの郵便局ネットワーク(ユニバーサルサービス)は維持する。

これをやる気なら絶対に補助金などの特別な方法が必要。完全民営化すれば維持できないのは100%明白。すべての国民に基本のインフラを平等に整えるという公益性の観点から言っても、絶対に維持できる仕組みが必要だが、果たして用意されているのか、私では判断できなかった。


私レベルで考えるだけでもいろいろ問題がある。ここは大いに議論をしてもらう必要があるし、もう少し時間をおいてみないとわからない問題もある。このような感想は郵政民営化法案反対派によって言い古されていることかもしれないが、「郵政民営化法案」だけを抜き出してみた限りでも、正直私もそう感じる部分がある。

それに加えて現実は、永田町や霞ヶ関の私怨や暗闘が絡んでくるわけで、紛糾するのも無理はない。そのあたりを「その2」から書いていこうと思う。しばらく脳を休めたあとで(笑)。

【参考URL】
郵政民営化議論ここがポイント!
特殊法人問題をやさしく説明!
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by blinkey | 2005-08-23 12:02 | ニュース・社会